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FIREWATER

離れると、近くなる

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2010.7.14
去年奥さんのお店-LiLLiputでTシャツ展をやり、僕の作品も出展させてもらいました。プリントTシャツがほとんどなんだけど、何枚か手描きのものもあった方がいいという事でTシャツに直描きしてみました。アクリル絵の具に、ある液体を混ぜると布にも描けるらしい。
僕はいつも締め切り間近にならないとやる気が起きず、その時も締め切り1カ月を切ったところでようやく気合が入ってきて、何とか三枚描き終えました(その時一枚目に描いたのが以前紹介した’暗闇’です)。
Tシャツ展開催中にもう一枚描きあげようとして取り掛かったのが今回紹介する絵です。

いつもは白地をベースに描いているので、色のあるTシャツに描くのは新鮮でした。布地の色に大きく左右されてしまいます。いつもは自分が作る色だけで絵をしあげていたのに、ベースの色がすでに出来上がっているのです。誰かとコラボしているような感じでしたね。
最初はちょっと遠慮しておとなしめに描いていましたが、4作目ともなると自分の好きなように描きたくなってきます。もうTシャツ展もはじまっちゃってるし、適当にやってみようと描き始めました。
濃い緑地のTシャツで、それに負けないような色を塗っていきました。配色のイメージは以前紹介した’ポール’と同じく、ロロマ風です。絵自体は、思うままに描いた無意識タイプの作品です。
昨年のTシャツ展開催中にしあげるつもりが、ようやくこの間できあがりました。といっても、長い期間がかかっただけで、絵に費やした時間はそんなに長くはない。
何でこんなに長くかかったかというと、この絵に対して描く意欲がなくなってしまったのです。Tシャツ展三部作で、ある程度の力を出し切ってしまったんですねー。その余力というか、余韻で描き始めたはいいけれど、最後まで仕上げる気力が残っていませんでした。
前々回紹介した’ジョージ’とは対照的に、この絵は描き始めてすぐにだいたいの枠組みは出来上がった。約一年のブランクを経て、今年の6月に再開したんだけど、そこからの作業は手直しというか、仕上げのようなもので、いつも絵を描き終えた時に感じる充実感はあまりありませんでした。でも一度距離を置いてみて、客観的に絵を仕上げていき、出来栄えは一年前のものよりは数百倍良くなったと自負しております。

何でも、’離れると、近くなる’のではないだろうか?

わからなくなった時は、離れてみるのが一番いい。


by firewater19780530 | 2010-07-22 18:54